会長挨拶

2012-2013 別府北RC会長

田中 俊一

本年度の会長を仰せつかりました田中俊一です。
まず前年度三笠会長,大附幹事に最大限の敬意を表したいと思います。
一年間大変お疲れ様でした。
一番の功績は様々な意見もある中で思い切ってCLPを我がクラブに導入したことではないでしょうか。
ほかにもいろいろと、クラブのために改革をしていただきました。
三笠年度だからこそできたことだと思います。まだ心残りもあるようでしょうから、今後ともぜひご指導をお願いしたいと思います。

今年度の国際ロータリーの会長は日本人の田中作治さんです。
テーマは奉仕を通じて平和を、です。
2720地区のガバナーは大分中央ロータリークラブの岡村泰岳さんです。
スローガンは 心を一つに、です。ロータリー活動をする場合、今年度は常にこの言葉を頭に入れていなくてはなりません。

私はロータリーに入会して17年になります。
けど不勉強のせいでロータリーにそんなに詳しくありません。
だから今日はロータリーというより、自分が生きていくうえで小さな指針みたいなものがありますのでそれを話してみたいと思います。

学生時代19歳の夏休みですけど滋賀県の彦根から札幌まで自転車で旅行しました。
金も一万円くらいしかない本当の貧乏旅行でした。
まずは変速機付の自転車が欲しくて自転車屋を回りましたが安い中古がなく、質屋を何件かまわりました。
何件目かにパンクはしてるけど3段変速の自転車がありました。
値段を聞くと3000円というので負けてほしいといったのですが冷たく<まかりまへん>と言います。
しようがなく3000円を払って自転車を押して歩いていると、後からおかみさんらしき人が走ってきて、<ごめんね>と言いながらパンクの修理代にしてと、200円を渡してくれました。
何となく嬉しくなりました。

下宿のおばさんに見送られて朝出発しました。
当時の私としては悲壮な覚悟でした。
一日目は福井県の小学校の宿直室に泊めてもらいました。
その後富山、新潟、山形とお寺に泊めてもらいました。
金のない学生時代でしたのでテントや寝袋を持たなかったのでどこかに泊めてもらうしかなかったのです。
その後もほとんどお寺に泊めてもらったのですが、どこのお寺でも簡単にとめてくれたわけではありません。
泊めてくれたのは5軒に一軒くらいです。
でも泊めていただいた場合はだいたい夕食、朝食をごちそうになりました。
中には昼の弁当も待たしてくれたところもありました。
新潟の寺は小さな寺で風呂がなくわざわざ私のために近所にもらい湯までしてくれました。
秋田県で道端で桃を売ってるおばあさんに道を聞いたことがあります。
東北弁で何を言ってるかよくわからないので、ありがとうございましたと言って帰ろうとすると、商品の桃を手に取って底を調べながら私に二つよこしました。
<のどが渇いたときは果物もいいもんだっぺ>と言いながら、しかも桃の底を調べていたのは商品にならないものを選んでいたのではなく、傷んでいないものをくれたのでした。

何日目かに十和田湖についたときは夜の10時ころでした。
どうしようもなく旅館に泊まることにしました。
旅館に入り素泊まりでいいですからお願いしますというと1000円といいます。
もっと安くなりませんかというと、いくらならいいのかといいます。200円でというと チェッと舌打ちしながら顎で入れと言って泊めてくれました。
部屋に入ると仲居さんがご飯食べてないのでしょうと握り飯を持ってきてくれました。
朝食も弁当も作ってくれました。
番頭は感じが悪いけど仲居さんはやさしいなあと当時は思っていたのですが、今考えると案外感じの悪い番頭さんの指示だったのかもしれないと思うようになりました。

そういうことの繰り返しで11日目に北大に行ってる高校時代の同級生の下宿につくことができました。
40年以上前の話ですけどよく覚えています。

その旅行で未だ後悔していることがあります。
旅行中随分といろんな人のお世話になりました。
いろんな親切を受けました。でも誰にもお礼の手紙一つ書いてません。
感謝の気持ちをつたえていません。住所を聞いてないからです。

それから20年くらいして、できたら当時のお寺を一軒でも探し当てて見たいと思い同じコースを今度は車で行ってみました。
でも20年という歳月は長く何一つ思い出の場所や思い出の道はわかりませんでした。
自分の中にある感謝の気持ちをどうしたらいいのだろう。このままでは何か人生に借りができているという気がずっとしていました。

そのうち世話になった人に直接お礼はできないけど自分が同じようなことを別の人にすればいいんだと思うようになりました。
あまり自分のことを言うのは変ですけどそういう気持ちもあって進んで、ホストファミリーを引き受けたり、ヒッチハイクで手を挙げている人を見ると可能な限りの乗せてあげます。
あるいは施設にトウモロコシを持っていったりしています。

いつの日か秋田で桃をくれたおばあさんに、あなたのくれた桃のお返しはもうできたでしょうかと聞いてみたいものです。

ペイフォワードという映画があります。

社会科の授業で<もし君たちが世界を変えたいと思ったら何をする>と課題を出します。
生徒であるトレバー少年は一つのアイデアを考えます。
ある人が自分の周囲にいる三人に対し自分でなければできないような善い行いをし、手助けされた人はその人に返すのではなく別の三人に返す。
それが広がっていけば世界が変わるのでは、といった内容です。
感動的な映画ですのでチャンスがあればぜひ見ていただきたいと思います。

善行を行おうとするときに必要なものはお金やよぶんな時間ではありません。
一番必要なものは勇気だと思います。
それも小さな勇気です。困っている人に声をかける、その程度の勇気を常に持ちたいものと思ってます。

今日私がこの貴重なロータリーの会長就任あいさつにロータリーとは関係ないようなこんな話をするのは不謹慎かもしれませんが、こんなことこそロータリーの原点ではないでしょうか。
小さな勇気をもって小さないいことをしましょう。

3月11日15時46分東北地震がありました。
同じ日の15時50分に私たち夫婦はボリビアから帰ってきて成田に到着しました。
4分後です。大混乱でした。余震も経験しました。

東北地震に関してはロータリーとしてもいろんな支援をしてきました。
あるいは個人的に多額の寄付をした人もいると思います。
これ以上何をするべきということは言えませんが、ただ東北地震があって、未曽有の困難にあっている人がいまだにたくさんいて、しかも我々の同胞の日本人である。
そしてその時に我々はロータリアンでいるということは忘れないでおこうと思います。

ちょっと余談ですけど震災直後に配給の品を整然と並んで受け取っている東北人を見てあるいはお年寄りに順番を譲っている人を見て、日本に永住したいといったスリランカ人がいました。
世界中でもこんな国はないよと自分のことのように自慢していました。
APU の卒業生です。

私も遅ればせながら一度は震災を見ておかなければと思い4月に気仙沼まで行ってきました。
ボランティアをすべきでしたのでしょうが、思うだけで何もできないので、せめてもと思い道の駅で買い物をしてきました。
日本は徴兵制がないのだから成人になるための儀式としてせめて10日間ぐらいはボランティアを義務付けてほしい気がしました。

ロータリーに話を戻します。
なぜ今わざわざ東北地震のことを話したかというと、今年度のロータリー行事の中でぜひ東北地震のためのチャリティーをしたいと思ってます。

ロータリー ローターアクト あるいはロータリーに関係ない人たちも巻き込んでもいいと思っています。
収益事業をしてみたいと思ってます。
どうしたらいいのか全く分かりませんけどこれだけ優秀な会員が集まっているロータリーなのですから何とかなると思います。
そうすれば皆様から予定している一万円も集めなくて済みますし、東北の人の心の少しでも励ましになるかもしれませんし。宣伝にもなります。実績にもなります。

10年ほど前インドのパトナという北のほうの町でロータリーのメイキャップをしたことがあります。
その時は偶然にスマトラ沖の地震の後で大掛かりなチャリティーを開催していました。
大きなテントをたてて入場料を取っていろんな催しをしてました。
私も一万円を寄付すると、会場で日本から来たロータリアンが1万円を寄付したと放送があり、大変な拍手をもらったことがあります.自信はないけど皆さんの協力がれば何とかなると思います。

今年はCLPを導入して初めての年です。
でもやることはほとんど例年と変わらないと思ってます。
私もCLPはどうでもいいと思ってました。
どちらかといえば反対でした。でも何度か講習を受けているうち、自分たちのやりやすいようにクラブを運営するのがCLPだといった講師の方がいました。
それならば特別反対をしなくてもいいのではと思うようになりました。
従ってやりやすいようにクラブを運営したいと思います。
不都合があれば修正をすればいいし,細則に触れるようなことであれば、細則のほうを定款に触れないように変えればいいと思います。
今年の命題の一つに会員増強があります。
どこに行っても、何の勉強会に行ってもすべてが会員増強の話になります。食傷気味です。
でも現実問題として会員を増強しなければ奉仕活動も親睦もやりずらいのは確かです。
私が入会した当時は63人いました。
だから当時のほうがいろんな奉仕活動をしていたかというと、そうとも言い切れない気がします。
会員が少なくても志があれば何かはできます。何かいいことをしていればひょっとしたら自然に会員が増えるかもしれません。
プロジェクトを通して会員を増やしていければそれが一番いいと思います。
ただRIからの指示で あるいはガバナーからの指示のみで会員増強をするのは金を集めろと言われているみたいでしっくりきません。
自分たちのために会員増強をしなければと思うと頑張りたくなります。
本音でものを言いたいので問題発言が今後もあるかもしれませんが、週報にはまともなとこだけを載せるつもりです。

力不足 知識不足 経験不足の私ですが幸いなことに誰もが認める 神宮司円を幹事に指名することができました。
あるいは中川親睦委員長をはじめ有力な 魅力的な また新鮮な人たちに理事役員になっていただきました。楽しい一年になると思います。

もし私に物足りないと思うことがあってもたった一年の辛抱です。
次には素晴らしい高田会長が待ってます。
よろしくお願いします

  

別府北ロータリークラブ

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