俳句愛好会
【2011/11/24】
(11月の季題) 目張り 大根
参加者7名 16作品
今月の特選句
なにとなく 寂しさを目張りしてみる 作者 松原
(目張りを寂しさに張った感覚の妙、破調を上まわります。)
今月の準特選句
セピア色 母現れて 隙間張る 木原
(夢の中に現れた母のようです。)
楽しさは 子沢山なり 目張りかな 桃潤
(隙間風はあっても)
一抱え 持って帰れと 大根引き 河野
(出来ています、よくみるのですが。)
大根の 葉つき泥つき 配りけり 扇山
(葉も泥もつけのほうが・・)
桶にごす 山積み大根 日も暮れて 加藤
(桶では山積み大根は洗えないが・・)
いつよりか おろし大根 朝の任 千樫
(任が固いか?)
【2011/10/27】
(10月の季題) 笑い 熟柿
参加者9名 27作品
今月の特選句
葉が落ちて 熟柿一つの 山路かな 作者:光
今月の準特選句
病む母に 一匙づつを 熟柿かな 山本
春秋の 甘渋を溜め 熟柿照る 谷本
世に和む 名句噛みしめ 熟柿かな 木原
夕日燃ゆ 透けて熟柿の 種黒し 河野
柿熟れて お産の為の 里帰り 田中
とろとろの 種を楽しむ 熟柿かな 加藤
熟れ柿や 爛れた肉に 老いの艶 松原
秋深し 熟柿取り合う 祖母と孫 大野
【2011/09/22】
(9月の季題) 「月 十六夜 流」
参加者9名 27作品
今月の特選句
子を乗せた 機灯消えゆき 月天心 作者:谷本
名月や 群立(むらだつ)つ牛の 影あはれ 作者:河野
今月の準特選句
被災地に 満月という 希望かな 光
名月を 一夜囲うて 水鏡 松原
名月や 杜甫は失意の 舟住い 山本
サックスの 響く野の秋 流れ膝 木原
名月に 照らされ一人 千鳥足 加藤
満月や 足跡残る 四十年 田中
40年ほど前に田中さんがが社会人になってすぐ、アームストロング船長が「私にとっては小さな1歩であるが人類にとっては大きな1歩である」と言って月に降り立ち、最近その足跡がまだそのまま残っているとテレビで放映されあれから40年という意味でできた作品だそうです。
いつの世も 変わることない 月夜かな 大野
【2011/08/25】
(8月の季題) 鳳仙花 送り火
参加者9名 27作品
今月の特選句
三姉妹 みんな嫁いで 鳳仙花 田中扇山
今月の準特選句
迎え火も なき被災地や 海黙る 谷本
只今と 送り火揺らし 合図かな 加藤竹山
寂光院 読経の声や 鳳仙花 山本桃潤
本懐ぞ 熟れてはじけて 鳳仙花 木原
旅立ちは 大音響の 鳳仙花 松原
ちちははの 知らぬ町にて 門火焚く 河野
鳳仙花 叶わぬ思い 夢を見る 大野
迎え火や あなたの気配 ここにあり 森
【2011/07/21】
(7月の季題) 木苺 夜店
参加者10名 30作品
今月の特選句
夜店より 社長旦那と おだてられ 加藤竹山
今月の準特選句
賑わいも 朝が寂しき 夜店かな 光
小銭持て 子等はじきでる 夜店かな 森
故郷の 夜店は古き 人に会い 田中扇山
木苺を 含み棘の 効を知り 谷本
木苺に 渇き潤す 山頭火 山本桃潤
購えぬ 思いで並ぶ 夜店かな 松原
縄かけて 一夜を明かす 夜店かな 木原
口にした 木苺の甘に 思い出し 大野
ポケットに 木苺あふれ 朱がにじむ 河野