会長の時間

【2013-2014】

第2376回 例会

日時:2014/04/16

場所:ホテル白菊

会長:高田 利徳


THE ROTARIAN 4月号から(文:Megan Ferringer

元気な笑顔のために

母親と子供たちが地域とのつながりを取り戻すために、日米のロータリアンが協力して支援を続けています。

 

陸前高田の沿岸に、津波で傷ついた松が一本立っています。かつて2万3,000人が住んでいたこの地は小さながれきばかりの不毛な土地へと変わり果ててしまい、白砂青松で知られた美しい観光地の面影を見ることはできません。

2011年3月11日、30フィート(約9m)の高波によって、この市やその周辺の町々は根こそぎ流されてしまいました。陸前高田で、津波は柱と壁だけになった大きな建築物2~3棟だけを残し、そして、砂から田んぼを守るために植えられた7万本の松を破壊し尽くしました。2,000人近くが亡くなったこの地域は、大きな打撃を受けました。この災害でその日のうちに約1万6,000人が亡くなりました。

災害の詳細が明らかになりつつある中で、アメリカ・ペンシルバニア州アードモア・ロータリークラブ(RC)の会員たちは、被災者を支援しようとメールで連絡を取り始めました。彼らはArdomore Rotary Japan Relief Fund を立ち上げ、寄付を集めました。彼らはその資金を、東京RC(第2580地区)に送りました。東京RCは、創立100周年のプロジェクトの一つとして津波で流されてしまった子育て支援センターの再建を計画し、家や学校、あるいは両親を亡くした子どもたちに再スタートの機会を与えようと考えていました。その最初のプロジェクトとして2012年に完成した支援センターは、近くを流れる気仙沼にあゆが多く生息することから「あゆっこ」と呼ばれ、アードモアRCから送られた支援金もこのプロジェクトに役立てられています。

「あゆっこ」は、まだ仮説住宅で暮らす人も大勢いるその地域の母親と子供たちが、地域とのつながりを取り戻し、経験を共有し、お互いに助け合うための場になっています。

「地域と津波は、この地域の人々に精神的な営業を及ぼし続けています」とアードモアRC元会長のドグ・クレファー氏は言います。センターは心の健康に関するワークショップを開く一方で、コミュニティー意識を持つことが最良の心理療法であるという考えに基づいて運営されています。災害は街のインフラだけでなく、そこに住んでいた人々の結びつきまでも破壊しました。「地域での助け合いがなければ、人は生きていけません」と東京RC元会長の岡崎由雄氏は言います。

暖かい季節になると、センターの庭にはハナミズキが咲き始めます。読書コーナーで子どもたちが寝ている間、若い母親たちは、それぞれの体験を話しています。2歳のさくちゃんの母親は、ここに来ればわが子がほかの子どもたちとの遊び方を身に付けるようになると考え、週に2回、さくちゃんをあゆっこに連れてきます。再建された「あゆっこ」は、暖かく安定した環境が、地域社会の再興に役に立つことを証明しています。「過酷な状況にいる若い世代の人たちを助け、今後10年にわたって彼らを育てるための安全な場所を確保することが一番だと私たちは感じています」と、このプロジェクトを始めた時に東京RCの会長だった弦間明氏は言います。「一番大切なのは若い世代を見守っていくことなのです」

  

別府北ロータリークラブ

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