会長の時間
【2013-2014】
第2356回 例会
日時:2013/11/20
場所:ホテル白菊
会長:高田 利徳
職業奉仕に徹せよ
何はともあれ、同業共存共栄のためにはノウハウを公開すべきです。同業が栄
えるということは必ず自分も栄えるということになってくるのであります。した
がって自分が栄えるために同業者が潰れてはしいなどということはロータリーで
は通用しません。
西ドイツがまだシュミット首相時代の古い話ですが、破産寸前のイタリアを救お
うと、返済の見込みのない20億ドルの借款をイタリアに与えようと議会に提案い
たしました。もちろん議会は猛烈に反対いたしました。その時シュミット首相は
「イタリアの崩壊はヨーロッパ共同体の崩壊を意味するのだ。ヨーロッパ共同
体が崩壊したらドイツも危ないのではないか。したがってドイツが生き残るため
にはイタリアを救わなければならない」
という論理をもって議会を説得したそうであります。他人を生かしてこそ自分の
生きる道もあるのです。かようにロータリーの説く共存共栄というのはかなり厳
しいところがあります。この事も心に留めておかなければなりません。
相手の身になって考える、ということが非常に厳しいものである事、そしてそ
のことがこれからの時代を生き延びていく道でもあると思うのであります。
ロータリアンはよく相手の身になってと申します。それは大変な事だというこ
となのです。
要するに、自由競争には甘えの論理は全くありません。したがって自由競争を前
提とする職業奉仕にも甘えの論理は一切ありません。時々誤解して、奉仕というあ
る種のロマンチシズムによって競争意識をなくしてしまう人があります。自分はロ
ータリークラブを退会して、自由競争で思い切りお金を儲けたあと、再びロータリ
ーに入会して奉仕をするのだ、という人がおりますが、これは職業奉仕というもの
を完全に誤解しています。職業奉仕というのは同業者の関係ではまさに闘争の論理
です。甘さは一切ありません。したがって闘争に勝とうと思えば職業奉仕に徹する
ことであります。したがって職業奉仕の分からないロータリアンは自由競争に敗れ
ていく事にもなりかねません。最近ロータリーをやめていく人が増えております。
昔は一度ロータリーに入ったらやめる人などいませんでした。今は簡単にやめてい
く。これは職業奉仕が分からないからでしょう。と言うことはロータリーに折角入
ってもクラブが職業奉仕は何ぞやという教育が全くなされていないからです。だか
ら職業奉仕の良さが分からないままに、一年足らずでさっさとやめていく人がたく
さんあります。本当に職業奉仕が身につくとロータリーをやめる事はありません。
その魅力の虜になりまして、隆々と栄えていくだろうと思います。
(伊丹RC 深川純一氏)