会長の時間
【2013-2014】
第2363回 例会
日時:2014/01/15
場所:ホテル白菊
会長:高田 利徳
「ありがとう」には心をこめて
日本人の大好きな「ありがとう」
NHK放送文化研究所が行う世論調査の中に、「日本人の好きなことば調査」というのがあります。昨年3月、16歳以上3,600人を対象に行った調査では、好きな言葉の第1位は「ありがとう」で67%、第2位は「思いやり」で44%、第3位は「健康」で41%でした。4,5年に1回行うこの調査では、「ありがとう」は必ずベスト3に入っており、私たち日本人の大好きな言葉なのです。
「あおいもおかし」は接客マニュアル
ある外食産業での話です。アルバイトの若者たちの教育マニュアルに「あおいもおかし」という言葉があると聞きました。ありがとうございます、おまたせしました、いらっしゃいませ、もうしわけありません、おそれいります、かしこまりました、しつれいしましありがとうございます、おまたせしまいらっしゃいませ、もうしわけありません、おそれいります、かしこまりました、しつれいしました。この7つの言葉の頭文字をとって「、あおいもおかし」とマニュアル化して接客用語を教えているのです。その最初に挙げられている大事なひと言が「ありがとう」です。
「ありがとう」のひと言で恍惚となる
なぜ「ありがとう」が大事なのでしょうか。それは脳の働きに大きく関係しています。私たちの脳は、嬉しい体験や好きな言葉を聞くと、脳幹という脳の深層部からドーパミンという快感ホルモンを出します。このドーパミンは覚せい剤のアヘンとほとんど同じ分子構造をしているのだそうです。ですから、人は自ら出したドーパミンで恍惚となり、しばしうっとりと幸せな気分になれるというのです。「ありがとう」のひと言でお客様に気持ち良くなって頂けるのであれば、それは接客や営業の成功に大きな力となるでしょう。
「ありがとう」には心をこめて
マニュアル指導が徹底したコールセンターなどの電話応対では、「ありがとう」のひと言は言い過ぎるぐらい耳にします。でもその多くはただ言っているだけで、かえってうるさく感じることさえあります。心に響かぬ「ありがとう」ではドーパミンは出ません。「ありがとう」のひと言は回数言えば良いというものではありません。必要なところで、心をこめて言ってこそ生きた言葉となるのです。