会長の時間
【2012-2013】
第2323回 例会
日時:2013/02/27
場所:ホテル白菊
会長:田中 俊一
24日の日曜日家内と二人でパークプレイスに映画を見に行きました。宮本輝原作の<草原の椅子>という映画です。パキスタンのフンザが舞台になっています。フンザというのは地球最後の桃源郷といわれているところです。桃源郷という言葉に惹かれて私も数年前に行ってきました。今よりももっと治安が悪く、移動中バスの前後を軍隊がずっと護衛してくれていました。私も旅行が好きで今まで行った国を計算してみると37か国、回数はおそらく50回以上だと思います。その中でもパキスタン旅行というのは、思い出深い旅行でした。がけ崩れに会ったり、暴動に会ったり、アクシデントの連続でその都度、添乗員と現地ガイドが話し合ってスケジュールを決定していきました。でもパキスタンの北のほうのフンザという町は今考えると別世界であったなーと思います。このことは前にもロータリーで話しました。
いろんなことがあったおかげで、仲間意識が生まれ、普段の旅行以上に添乗員や現地ガイドと仲良くなりました。とくに現地ガイドは<アリ>という名前の男ですけど、ツアーの中にはもちろん組み込まれてない自分の自宅まで案内してくれました。一生懸命だし、人の良さも感じられたのでツアー最後の日に、「もし日本で勉強したかったら、別府にはAPUという外国人もたくさんいる大学があるからきてみないか」と誘ってみました。「もし日本に来ることができれば、あなたの人生は変わるよ」といって自分の名刺を渡しておきました。
日本に帰って1年くらいすると彼から電話がかかってきました。自分の人生を変えたいからAPUに入学したい。どうしたらいいだろう。という相談でした。
具体的にどうしたらいいかはわからなかったので、同じくパキスタンからきている学生に直接電話で話をさせたのですが、どうもそう簡単ではないみたいで、まずそのためにパキスタンで金をためたり、英語の勉強をしたりして準備をしたそうです。それでもAPUに入るのは難しいのか、とりあえず今は新潟の大学に行っています。準備ができたらAPUに入学したいそうです。私の言った「人生が変わるよ」がずっと頭から離れなかったそうです。彼にとってそれがよかったのか余計なおせっかいだったのかは、彼次第で、私のあずかり知らぬことだとは思うけど、本当に別府に来れば少しはお世話はしようかと思ってはいます。
映画は残念ながらフンザのいいところはほとんど取れていませんでした。まず季節が夏で、杏子やアーモンドの花がありません。花がないと桃源郷とは言えません。空も曇っていてまわりの7000メートル級の山々も見えません。がっかりはしたけれども思いださせてはくれました。映画を見てすぐに新潟にいるアリに電話をしました。旅行というのは景色も大事だけど人との出会いも大きな楽しみです。